為替手形

為替手形

 為替手形には当事者が三人登場します。先ず、為替手形を呈示し引受けを得て手形を振り出す「振出人」と、手形を受け取った「受取人と、手形の支払いを行う「支払人」です。

田中商店は佐藤商店より商品 \100,000円を仕入れ、代金は木村商店の引受けを受け、為替手形で支払った。
田中商店の仕訳
仕入   100,000  
  売掛金   100,000
佐藤商店の仕訳
受取手形   100,000  
  売上   100,000
木村商店の仕訳
買掛金   100,000  
  支払手形   100,000

自己指図為替手形

 自己指図為替手形では名宛人(支払人)と、振出人(受取人)で当事者が二人登場します。

 森田商店は商品 \100,000円を浅井商店より売上げ、浅井商店あて、森田商店受取の為替手形を振出して支払った。
仕訳
受取手形   100,000  
  売上   100,000

自己宛為替手形

 自己宛為替手形では、振出人が名宛人と支払人で、受取人の当事者が二人登場します。自己宛為替手形は本社が支社を支払人として為替手形を振出す場合になります。

佐藤商店は田中商店への買掛金 \200,000円の支払いとして、品川支店支払い、田中商店受取のの為替手形を振出した。
仕訳
買掛金   200,000  
  支払手形   200,000
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手形の裏書

 受け取った手形は他店に対して譲渡することができます。これを手形の裏書といいます。仕訳には対照による方法と、評価による方法があります。対照による方法では、裏書義務見返勘定と裏書義務勘定で処理し、手形が決済された段階で双方を相殺します。次に評価による方法では、裏書時に受取手形と裏書手形勘定で処理し、決済時に裏書手形を減少させます。

 また、手形の裏書を行った場合、手形が決済されない場合には支払いを負担する義務を負いますので、裏書時にはリスクを保証債務費用保証債務費用で処理して、手形が無事に決済された段階で保証債務取崩益でこれを打ち消します。

商品 \1,000,000を仕入れ、代金は以前受け取った手形を裏書譲渡した。その際保証債務費用として \10,000を計上する。
対照による仕訳
裏書義務見返
仕入
保証債務費用
  1,000,000
1,000,000
10,000
 
  裏書義務
受取手形
保証債務
  1,000,000
1,000,000
10,000
評価による仕訳
仕入
保証債務費用
  1,000,000
10,000
 
  裏書手形
保証債務
  1,000,000
10,000
上記の手形が無事決済された
対照による仕訳
裏書義務
保証債務
  1,000,000
1,000,000
10,000
 
  裏書義務見返
保証債務取崩益
  1,000,000
1,000,000
10,000
評価による仕訳
裏書手形
保証債務
  1,000,000
10,000
 
  受取手形
保証債務取崩益
  1,000,000
10,000
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手形の割引

 手持ちの手形を取引銀行で割り引いた場合の仕訳は、裏書の場合と同様に対照による方法と、評価による方法があります。対照による方法では、割引義務見返勘定と、割引義務勘定で処理し、手形が決済された段階で双方を相殺します。次に評価による方法では、割引時に受取手形と割引手形勘定で処理し、決済時に割引手形を減少させます。

 割引では割引時に手形の額面金額と割引額の差額を手形売却損で処理し、割引時にはリスクを保証債務費用保証債務費用で処理して、手形が無事に決済された段階で保証債務取崩益でこれを打ち消します。

手持ちの手形 \200,000を銀行で割引き、割引料 \2,000を差し引かれて残りを当座預金とした。なお保証債務費用 \1,000を計上する。
対照による仕訳
割引義務見返
当座預金
手形売却損
保証債務費用
  200,000
198,000
2,000
1,000
 
  割引義務
受取手形

保証債務
  200,000
200,000

1,000
評価による仕訳
当座預金
手形売却損
保証債務費用
  198,000
2,000
1,000
 
  割引手形

保証債務
  200,000

1,000
上記の手形が無事決済された
対照による仕訳
割引義務
保証債務
  200,000
10,000
 
  割引義務見返
保証債務取崩益
  200,000
10,000
評価による仕訳
割引手形
保証債務
  200,000
10,000
 
  受取手形
保証債務取崩益
  200,000
10,000
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不渡り

 手形債務者が手形の満期日に支払いができないことを不渡りといいます。手形の債権者は手形の債務者、裏書人、割引人に対して償還の請求を行うことができます。(遡及と言う)不渡りが発生した場合、手形の金額と遡及のための支払い拒絶証書の作成費用を合わせて不渡手形勘定で処理します。

 請求した金額が回収できた場合は、受取手形勘定で、回収できなかった場合は貸倒損失、または貸倒引当金が設定されている場合は貸倒損失勘定で処理します。

 手形の裏書、または割引を行った場合、債務者が満期日に支払いを行うことが出来なければ、手形金額を立て替えなければなりません。上記同様、立て替えた金額は債務者に対して償還請求をすることが出来ますが、回収できない分に関しては前述の処理を行います。

1.手持ちの手形 \100,000円が不渡となったため償還請求を行った。このとき、償還のための費用 \5,000円は小切手を振出して支払った。
不渡手形   105,000  
  受取手形
当座預金
  100,000
5,000
2.1の不渡手形が回収できなかった。なお、貸倒引当金は設定していない。
貸倒損失   105,000  
  不渡手形   105,000
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手形の更改

 手形の更改とは期日延長に伴う利息を支払い、債権者の了承を得て行う手形の支払期日延長です。手形債務者は旧手形と引き換えに新手形を振出し、手形債権者は旧手形と引き換えに新手形を受け取ります。その際、支払い期日の延長に伴い発生する利息を支払います。

佐藤商店が浅井商店へ振出した約束手形 \200,000の支払期限が到来したが、同額の手形を振出して書き換えをしてもらった。その際、新手形の支払期日までの利息 \1,500は小切手を振出して支払った。
浅井商店の仕訳
受取手形
現金
  200,000
1,5000
 
  受取手形
受取利息
  200,000
1,5000
佐藤商店の仕訳
支払手形
支払利息
  200,000
1,5000
 
  支払手形
当座預金
  200,000
1,5000
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荷為替手形

 遠隔地の取引先に商品を販売した時など到着に時間がかかる場合、運送中の商品を担保にして買主を支払人として為替手形(通常は販売価格の7〜8割)を振出して銀行で割り引いてもらう事が出来ます。これを荷為替手形の取組みと言います。

木村商店は森田商店へ商品 \100,000を販売し、代金のうち \70,000を森田商店の引受けを受け荷為替手形を取組み、割引料 \1,000を差引かれて残りを当座預金とした。
木村商店の仕訳
売掛金
当座預金
手形売却損
  30,000
69,000
1,000
 
  売上   100,000
森田商店の仕訳
仕入   100,000  
  支払手形
買掛金
  70,000
30,000
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