取引と帳簿への仕訳

取引

 前述した損益計算書や貸借対照表は取引を記録した帳簿を基にして作成します。簿記で言う取引とは、資産・資本・負債・収益・費用に増減があった事を指します。

 例えば商品を仕入れた場合は資産と負債が増加します。つまりこれは簿記で言う取引に当たります。次に従業員を雇用した場合ですが、給与を支給すれば費用が発生したことになりますが、雇用した段階では何の増減もありませんので、簿記で言う取引に当たりません。

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商品売買

 商品の売買とは会社を運営していく上で基本的な作業になります。たとえば八百屋さんであれば商品を市場から仕入れてお客さんに販売します。この場合の商品は野菜や果物になります。当然職種が変われば扱う商品も変わってきます。不動産屋であれば土地や建物が商品となりますし、花屋であれば花が商品ということになります。

 八百屋にしろ花屋にしろ、商品はどこからか仕入れてくることになります。例えばキャベツを市場から@\100で仕入れ、お客さんに @\150で販売した場合、仕入れた値段を仕入原価と呼び、売った値段を売価と呼び、この仕入原価と売価の差額が粗利益となります。

 商品取引を仕訳する方法として三級では分記法三文法が出てきます。それぞれを見て行きますので、読み進めてください。

分記法

 分記法では、商品(資産)と、商品売買益(収益)勘定を使って処理します。商品を販売した都度、取引の儲けと販売原価を記録します。

佐藤商店は@\50で仕入れた商品を@\100で10個販売して代金を現金で受け取った。
仕訳
現金   1,000  
  商品
商品売買益
  500
500

三分法

 三分法では仕入れたときに仕入勘定(費用)、販売したときに売上勘定(収益)で処理します。そして決算時には繰越商品勘定(資産)の三つの勘定を使用します。分記法では商品販売の都度儲けを計算しましたが、三分法ではその手間が省けます。

佐藤商店は現金で商品@\100を10個仕入れた。
仕訳
仕入   1,000  
  現金   1,000
佐藤商店は商品@\200を8個現金で売り上げた。
仕訳
現金   1,600  
  売上   1,600
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掛取引

 掛取引とは、先に商品の受け渡しを行って、後日に代金を支払い又は受け取る取引です。商店間の取引では掛取引は頻繁に行われています。売主は後日に代金を受け取る権利を得ることになります。この権利を簿記上では売掛金勘定(資産)で処理します。逆に買主は後日代金を支払う義務が発生することになります。簿記ではこのことを買掛金勘定(負債)で処理します。

1.佐藤商店は浅井商店に商品 \10,000を販売し代金を掛とした。
佐藤商店の仕訳
売掛金   10,000  
  売上   10,000
浅井商店の仕訳
仕入   10,000  
  買掛金   10,000
2.浅井商店は1の買掛金を現金で支払った。
佐藤商店の仕訳
現金   10,000  
  売掛金   10,000
浅井商店の仕訳
買掛金   10,000  
  現金   10,000
上記の通り買掛金を後日支払った時は買掛金を減少させ、逆に受け取った場合は売掛金を減少させます。
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返品・値引き

 返品とは販売した商品を戻すこと、値引きとはおまけをすることです。簿記上の処理では返品を行った場合、販売した時の反対の仕訳(逆仕訳)を行って以前の取引を打ち消します。値引きでは値引き分の逆仕訳を行います。

1.佐藤商店は浅井商店に商品 \50,000を掛で販売した。
2.上記商品の内 \10,000が品質不良で返品された。
佐藤商店の仕訳
売掛金   50,000  
  売上   50,000
売上   10,000  
  売掛金   10,000
浅井商店の仕訳
仕入   50,000  
  買掛金   50,000
買掛金   10,000  
  仕入   10,000
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